第29回 日本統合医療学会学術大会にて口演発表を行いました。

第29回 日本統合医療学会学術大会にて口演発表を行いました。

2025年12月20日・21日に岡山で開催された日本統合医療学会学術大会において、「癒しの統合医療」をテーマにPGC Schools インストラクターの大野が口演発表を行いました。


学会概要

統合医療とは、西洋医学を基盤としながら、補完・代替医療を科学的根拠(エビデンス)に基づいて評価し、患者中心の医療を実践する考え方です。医師や看護師をはじめ、介護士、心理士、栄養士など多職種が関わる点が特徴で、QOL(生活の質)の向上を重要なテーマとしています。


発表を通して

今回の発表では、医療アートメイクを「美容」か「医療」かという二択で捉えるのではなく、「アピアランスケアの一端を担う補完医療」として捉える視点を提示しました。外見は単なる見た目ではなく、自己認識や社会との関わり方にも影響を及ぼす重要な要素です。そこで今回は、国内外の事例を交えながら、外見を整えることが心理的・社会的な回復にどのように寄与するのか、その可能性と同時に、現時点での課題についてもお話ししました。

発表の中では、1980年代頃から看護・介護領域で活用されてきた「化粧療法」にも触れました。外見の変化を治療やケアの一部として捉え、QOLの向上を目指すという考え方は、医療アートメイクとも共通しています。一方で、両者のアプローチには違いもあります。化粧療法が外見ケアの「プロセス」を通じて、その都度自己認識に働きかけていくのに対し、医療アートメイクは外見の「状態」を安定させることで、自己像の土台を支える役割を担います。この違いを整理することで、医療アートメイクが果たし得る位置づけを、より立体的に伝えることを意識しました。

当日は医療従事者に限らず、多職種の方々にご参加いただき、医療アートメイクを初めて知ったという声も多く寄せられました。これまで接点の少なかった分野の方々と対話できたことは、アピアランスケアの可能性を広げていくうえで、大きな手応えとなりました。今後も学会発表をはじめ、分野を越えた場に積極的に足を運びながら、外見から人を支えるケアのあり方について、発信を続けていきたいと思います。

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